マニトバ州議事堂のコードを解読せよ

マニトバ州議事堂のコードを解読せよ

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カナダ中部の広大な草原地帯にあるマニトバ州。南側は米国の国境に接している。マニトバといえば、北部のハドソン湾のシロクマやベルーガ(シロイルカ)が人気の的。世界各地から動物好きが集まってくる。また、釣りやスノーモービルなどアウトドア体験も人気がある。

マニトバ州議事堂のコードを解読せよ-イメージ1

そんなマニトバ州の州都ウィニペグのダウンタウンでひときわ威厳を放っているのが、マニトバ州議事堂だ。議事堂のドームに上にはトーチを掲げた金の像「ゴールデンボーイ」が光を受けてキラキラと輝いている。州の顔となるランドマークだけに、その存在感に圧倒される。マニトバ州議事堂が完成したのは、1920年のこと。およそ1世紀にわたって、マニトバの街を見守ってきた。

実はこの議事堂、さまざまな謎に包まれた建物であることが近年の研究で明らかになった。建物の上にはスフィンクスがあったり、フリーメーソンを思わせる図形があったり。知れば知るほどに不思議な建物。こうした謎のシンボルには、いったいどのようなメッセージが隠されているのだろうか。

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議事堂正面玄関の上方、左右には、スフィンクス像があり、それぞれ西と東を見据えている。このスフィンクスの胸元にはヒエログリフ(古代エジプトの象形文字)が書かれている。

これを解読すると、「生を与えたもうた善良の神ラー(太陽神)の永遠なる表れ」という意味になる。その象形文字を囲むカルトゥーシュ(装飾枠)は楕円形で、これは一部のフリーメーソンの間で重要視される古代エジプト第18王朝6代目ファラオ、トトメス3世のものだ。

マニトバ州議事堂のコードを解読せよ-イメージ3

この議事堂には、「5」「8」「13」といった数字が何度となく登場する。例えば、ポルチコ(ポーチ)にあしらわれた花びらは5枚。同じくポルチコの窓は、正方形を8分割したデザイン。そして窓を囲むように、壁には13個の円が並ぶ。

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通路を覆うアーチに刻まれた直線は、13本。大階段のホールには、古代神殿に見られる5種類の魔除けがある。雄牛、メドゥーサ、アテーナ、ブクラニア(牛の頭蓋骨)、獅子の頭だ。
太陽神ラーが放つ光はホールを照らし、この5種類の魔除けに力を与えている。また、この明かり取りの天井には3×5の正方形のモチーフが浮かび上がる。

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謎の数字はほかにもある。大階段は、13段ごとに下段、中段、上段の3区画で構成されている。

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このようなアーチが壁面に5つある。また、1つのアーチを構成するブロックは21ある。

ドームの内側の天井を見上げると、5つの花と5つの四角形が整然と並ぶ。ベンチの脚は3本。ランプ台の脚も3本だ。

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まるで何かに囚われたかのように、繰り返される3、5、13といった数字。実はこの議事堂には8や21といった数字も現れる。

もう一度、小さい順に並べてみよう。3,5,8,21…

数学に詳しい人なら、お気づきかもしれない。そう、フィボナッチ数と呼ばれる不思議な数列に一致するのだ。1202年にレオナルド・フィリオ・ボナッチが著した『算術の書』に紹介されている不思議な数列。
1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、377…と永遠に続く。一見、でたらめな数列のように見えるが、隣り合う3つの数字を取り出すと、必ず足し算の関係になっている。例えば「3+5=8」「13+21=34」といった具合だ。

のちにレオナルドは「フィボナッチ」と称されるようになり、この数列はフィボナッチ数として語り継がれるようになった。無味乾燥な数列のようだが、自然界はフィボナッチ数であふれている。例えば花びらの数はフィボナッチ数が多い。植物の葉の付き方も螺旋として見ると、フィボナッチ数との関係が深い。また、パルテノン神殿など普遍的な美しさを醸し出す黄金比もおよそ8:5でフィボナッチ数と縁がある。
この黄金比の長方形から正方形を削り取ると、残った長方形もまた黄金比になり、これを永遠に繰り返すことができる。永遠の美を秘めた比なのだ。

議事堂の設計者がなんらかの理由でフィボナッチ数を意識していたのか。それとも、美しさを追求して設計した結果がフィボナッチ数だったのか。あるいはまた、何かのメッセージを未来の我々に伝えようとしたのか。

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この黄金比と切っても切れないのがウィトルウィウス的人体図だ。これは古代ローマ時代の建築家ウィトルウィウスの『建築論』を基に、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたもので、プロポーションの法則にあふれている。

2000年代初頭に世界中で話題となった推理小説『ダ・ヴィンチ・コード』にも、このウィトルウィウス的人体図から黄金比を語るシーンがある。銀河系の渦や台風の渦、オウム貝の渦巻きも黄金比に沿っている。我々が普遍的な美しさを感じるのはこのためだ。そんな黄金比がやはりマニトバ議事堂にも随所に見られる。
  
例えば、大階段にあしらわれたこの模様も、同じ黄金比が潜んでいる。
その大階段から天井を見上げると、そこにも黄金比の渦巻きが…。

ほかにも不思議な仕掛けがあちらこちらにある。
州副総督の応接間には、南側の壁と北側の壁に一対の鏡がかけられている。互いに像を映し出し、永遠に続く無限の空間ができあがる。

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大広間の壁には、英国の画家フランク・ブラングィンによる壁画がある。第一次世界大戦を描いたものだが、中央上部の木のあたりを拡大してみると、聖母マリアがイエスを抱く姿が浮かび上がる。一方、絵の中心には、白い服が破れ、兵士に運ばれている男の姿。これはキリストの姿を彷彿とさせる。おそらくキリストの受難を表現しているのではないか。つまりキリストの生誕から受難までを描いていると考えられる。

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見れば見るほどに不思議にあふれるマニトバ議事堂。今も不思議なシンボルやデザインは、議事堂を訪れるファンや一般市民から次々に寄せられているという。

『ダ・ヴィンチ・コード』のように、なんらかのメッセージが込められているのか。マニトバで100年近くの間、誰にも見つかることなく、静かに息を潜めて生き続けてきた謎に挑んでみてはいかがだろうか。

コメント

  • 小木曽早苗

    うわ~知れば知るほど摩訶不思議で美しい建物ですね。すごく興味をひかれました。こんな不思議がたくさん隠れている街に降り立ってみたいと思いました。

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