02. A Green Choice

カナダ鉄道の歴史を探る旅02. A Green Choice

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モントリオールへの鉄道旅の出発点は、トロントのユニオン駅だ。出発までの時間を利用して、ホームに停車中のディーゼル機関車を見に行く。車体の側面には「A Green Choice(環境に優しい選択肢)」というロゴが誇らしげだ。飛行機やクルマよりも環境に優しい選択肢であるというスローガンは、利にかなっている。

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北はケベックシティーから南はアメリカ合衆国と国境を接するウインザーまでを結ぶVIA鉄道の路線はコリドーと名付けられ、都市間を移動するビジネス用途の乗客が多く見られる。Wi-Fiが完備しているから、普段通りの時間の過ごし方ができるのもウリだ。

エア・カナダもこの辺のところは心得ていて、ナローボディーのジェット機には機内Wi-Fiが整備されつつある。路線は公表されていないものの、ワイドボディーの国際線にもWi-Fiが使えるように計画されているという。時代は大きく変わって行きそうだ。

VIA鉄道に話題を戻そう。

1980年代に作られたアメリカGM社製16気筒ディーゼルエンジンを搭載した機関車は、HEP(Head-end Power)という次世代型の電源供給システムを使い客車に供給している。HEPとは、エンジンからの動力をいったんジェネレーターにつなげると、一方はトラクション・モーターによって車輪を動かす動力とし、他方は客車内のエアコンや車内灯、電源を供給するというインテリジェンスなシステムのこと。

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"9000" type, C.N.R. oil electric locomotive, May, 1929. Canada. Dept. of Interior / Library and Archives Canada / PA-047876

ディーゼル機関車を北米で最初に走らせたのは、VIA鉄道の前身だったCNR(Canadian National Railways)。1929年に、ウエスティングハウス社とキングストンのCLCが共同して製作した旅客列車用のディーゼル機関車CNR9000/9001だ。ちょうど三代目ユニオン駅が誕生した2年後に、モントリオール〜トロント線で使用されていた。1948年になると、F3 と呼ばれる流線型のCN9000シリーズが6両生産された。今では当たり前となったディーゼル機関車だが、カナダはそのパイオニアだったのだ。F3のCN9000はアルバータ州にある鉄道博物館(Alberta Railway Museum)に保存されている。

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車両に目を移してみよう。先頭のビジネスクラスに使われているのは、1984年カナダ・ボンバルディエ製のLRCクラブカー。大陸横断鉄道で使われている流線型のステンレス製BUDDカーとは違う趣があり、高級感漂う革張りシートが長時間の着席を助けてくれる。

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車両の入り口付近には、機内持ち込みと同様サイズのスーツケースが置ける場所も用意されていて、小旅行にはもってこいだ。私の場合、2泊3日だったら手提げバッグで事足りてしまうので、荷物は座席まで持っていく。

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このスタイルで威力を発揮するのが、ホテルにチェックインする前や、チェックアウト後のわずかな時間を使って街歩きがしたくなった時。荷物がコンパクトだと機動力が増す。今回帰り道はトロント・アイランド空港行きの中型プロペラ機。ターンテーブルで荷物が出てくるのを待たずにスっと空港を出る。これが帰り道の疲れを最小限に抑えるコツだと、思っている。

英語とフランス語で行われるアナウンスを聞きながら、するすると滑り出す列車の車窓を眺めて一息つくとソフトドリンクと朝食のサービスを受けることができるのは、ビジネスクラスの特権だ。列車は順調な運行を続け、お昼過ぎにモントリオールに到着した時には、抜けるような青空が出迎えてくれた。

まずは「ポワンタ・カリエール考古学歴史博物館」へ。 iPhoneを取り出してGoogle Mapで調べると、中央駅から徒歩20分と出ている。ホテルのチェックイン時間までの間、市内散歩を楽しみながら向かうことにした。

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