02. オータム・クラシックヘ

2015~16年フィギュアスケート、カナダ大会撮影記02. オータム・クラシックヘ

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最初の大会は、バリーで行われるオータム・クラシック。のどかな湖畔の街へと約1時間、一直線のハイウエイを走る。会場は、ハイウエイを降りてすぐそばの、地元の人たちが普段から集まるスポーツ・コミュニティーセンターの中、屋内プールを横目に通路を抜けた正面突き当たりにアイスリンクがあった。
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バリーは何千年にも渡りカナダ先住民族の住処となった歴史豊かな場所で、トロントの発祥とも深いつながりがある湖畔の街だ。ちょうど大会が行われた10月中旬は、カナダ東部の紅葉が一段落する頃だったが、散策路から湖を眺めると、対岸にはうっすらと秋の香りが残っていた。
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今シーズン、羽生結弦選手が初戦として選んだこの場所で、彼は新しいプログラム『SEIMEI』を滑った。殺到する日本からのメディア要請に応えるため、スケートカナダは大わらわだった。 入場券の発売が初日の朝にのみ限定発売という変則的なものだったため、早朝から会場前には日本から駆けつけた多くのフィギュアスケート・ファンが見られた。トロント在住者もいたようで、比較的広い駐車場は常にクルマで埋まっていたのが印象的だった。
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公式練習が始まると、羽生選手の姿がリンクサイドに見え隠れする。熱心なファンが指差す先には、ブルーのジャケットを着た彼がいた。 数年前、 トロントの老舗日本食レストランで食事をしていた時、偶然居合わせた知人を通じてカナダに来たばかりの羽生選手を紹介してもらったことがある。これから始まるトロントでの生活への期待と不安が入り混じったような笑顔が印象的だった。演技前に見せた彼の笑顔はあの時を思い起こさせたが、ひとたびリンクの上に立つ彼の目は、より大きなものをしっかりと捉えているように感じられた。
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彼の気迫のこもった表情から、トロントで過ごすスケートライフが本当に充実しているのだということが感じられた。そしてその充実ぶりは、初めて見る『SEIMEI』にも如何なく発揮されていた。

<写真協力>
ベースボール・マガジン社「フィギュアスケート・マガジン」

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