14. 春のパーティー・その2

メープルシロップ ワンダーランド14. 春のパーティー・その2

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シュガーリング・オフ・パーティーで人気のシュガーシャック(砂糖小屋)をもう1件、紹介しておきたい。

僕は以前、「ビッキーさんの料理教室・その2」という原稿で、メープルシロップには豚肉が一番合う、と書いたことがある。

これから紹介するのは、まさに豚がサトウカエデの木をよじ登って甘い樹液を楽しんでいるというトレードマークを持つ「オーパイド・ドゥ・コショーン」というシュガーシャックだ。

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かつて僕がカナダの国民的B級グルメ「プティン」の取材の際に出会った、フォアグラを使ったゴージャスなプティンを出していたのがモントリオール市内の「オーパイド・ドゥ・コショーン」というレストランだった。

レストランのオープンは2001年で、そこから郊外へと車を走らせ、砂糖カエデの林に囲まれた地に2008年、オープンしたのが「オーパイド・ドゥ・コショーン」のシュガーシャック、とうわけだ。

フランス語で豚はCOCHON(コショーン)と言うんだそうだけど、2キロ四方の砂糖カエデの林の中で4種類のCOCHONを飼い、メープルシロップを使った料理を提供している人気店だ。

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で、いきなりでなんだけど、COCHONたちはある時期にこんなことになってしまう。

COCHONの頭をメープルシロップと水、塩に2日間漬け込み、小屋の外の巨大オーブンで焼き上げる。

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最終形がこの写真。ピッグヘッド&カクテルソーセージ、ということだそうだ。このあたりはフランス系の方々と日本人の感覚は違うのが当たり前、と考えるべきだ。

中華料理だって子豚の丸焼きが出てくるし、日本では活き造りなんて「本人」がまだ動いているのに刺身として食べたり、生きたままを食べる「踊り食い」なんてものまである。

まあ、COCHONには申し訳ないけれど、このいい感じの焼き具合といい、照りといい本当に美味しそうだ。

COCHONに限らず、この「オーパイド・ドゥ・コショーン」というお店は本当におしゃれだ。

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例えばこっちの料理は、小ぶりのイカの中にダックの胸肉を詰め込み、メープルシロップとイカ墨のソースで仕上げてある。

彩りが鮮やかで、いわゆるシュガーシャックの豆とか豚肉とかオムレツとか、そういう素朴なイメージを完全に超越してしまっている。

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シュガーリング・オフ・パーティーの料理を提供するのは2月から5月まで。キャパシティは150席。平日は17時と20時、土日は11時、13時、17時、20時のサイクルでお客を受け付けているそうだ。

そして、この2月から5月の予約を11月に受け付け始めると、開始からたった45分間で全営業日の予約が埋まってしまうんだそうだそうだ。

それは、このシュガーシャック「オーパイド・ドゥ・コショーン」の人気のすごさ、ということでもあるし、いかにカナダの人たち、ケベックの人たちがシュガーリング・オフ・パーティーを楽しみにしているか、ということの証でもあると思う。

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この林の中のシュガーシャックの前には、開店前から既に列を作る人たちがいた。

一方の店内はと言うと、スタッフがデーブルのセッティングや料理の仕込み、デザートの準備などのため、慌ただしく働いていた。

開店時刻になると一斉に人がなだれ込んできて、あっという間に150席すべてが埋まってしまった。

そのあとはまだ料理も出てきていないのに、わいわいがやがや。家族や友達同士、若い人、ご高齢の人、あらゆる組み合わせと世代の人たちの談笑によって、小屋の中はいっぱいになってしまった。

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シュガーシャック「オーパイド・ドゥ・コショーン」はたった45分で1シーズンが満席になってしまうから旅行者が訪れるにはなかなか難しいけれど、モントリオール市内のレストランなら大丈夫だと思う。

いずれにせよ、1度はカナダでシュガーリング・オフ・パーティーを体験してみてほしい。伝統的な料理、斬新な料理、いろいろあるけれど、共通しているのはカナダの人々、ケベックの人々の「メープル愛」だ。

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