バンクーバー島パシフィック・リムでハイキング

バンクーバー島パシフィック・リムでハイキング

お気に入りに追加
バンクーバー島パシフィック・リムでハイキング-イメージ1

広大なロングビーチに波が打ち寄せ、砂浜に絡まりあった流木が打ち上げられる。南には、雪を頂いた山々の山頂が霞んで見える。私の背後ではモミの木とヒマラヤ杉が風にさらされ、その先には一面の大海原が広がる。海のしぶきとヒマラヤ杉の香りに包まれた空気は躍動感に満ちていて、ウエットスーツを着たサーファーがサーフボードを抱えて海に入る前に、砂浜でヨガの太陽礼拝のポーズを取っている。

バンクーバー島パシフィック・リムでハイキング-イメージ2

どこにでもあるビーチでの散歩ではない。カナダのパシフィック・リム国立公園保護区の一部であるロングビーチは、16キロにわたる硬い砂浜で、その後ろには古い森が広がっている。数棟のエコロッジを除けばまったく開発されていない場所だ。ビーチの背後には、沿岸部の熱帯雨林とひと気のない入り江を結ぶ初心者向けの日帰りハイキングコースがあり、大きなシダや一面を覆うコケ、倒木の中を通る曲がりくねった道を散策することができる。

ビーチの南の端にある、クウィシティ・ビジター・センター(Kwisitis Visitor Centre)に立ち寄ってみた。ここには捕鯨用カヌーのレプリカなどが展示されており、この地域で暮らしてきたヌーチャヌルス(Nuu-chah-nulth)族の物語を伝えている。波と格闘するサーファーたちを2階のデッキからのんびりと眺め、ファーストネーションズの料理にインスピレーションを得たメニューを出す同センターのレストランでシーフードチャウダーに舌鼓を打った。

バンクーバー島パシフィック・リムでハイキング-イメージ3

夜はウィッカニッシュ・イン(Wickaninnish Inn)のオーシャンビューの部屋に泊まった。沿岸部で最も古いエコロッジのひとつである「ザ・ウィック」(the Wick)は、森林を背に、残りの三面を海に囲まれたチェスターマンビーチの先の岬に建っている。

バンクーバー島パシフィック・リムでハイキング-イメージ4

ロングビーチは、トフィーノ(Tofino)村や周辺の海域、島々とともに、クレイオクォット湾ユネスコパーク(Clayoquot Sound UNESCO Biosphere Reserve)の一部となっている。このエコパークにはワシやクマ、クジラなど多様な野生生物が生息する手つかずの生態系が残っており、その温暖な熱帯雨林、湖と川、山々の峰、広大な海、岩場の多い海岸線、そして砂浜は、生態学上の宝庫として国際的に認知されている。

バンクーバー島パシフィック・リムでハイキング-イメージ5

この地域の人の営みの中心地は、エソウィスタ半島(Esowista Peninsula )の先端にあるファンキーな小さな町、トフィーノだ。ボートやカヤックはここを出て、湾内の島々の探索に向かう。 私はミアーズ島(Meares Island)まで10分の水上タクシーに乗った。ここには太古のツガ、トウヒ、ヒマラヤ杉の群生地につながる遊歩道(傷つきやすい藪を守るために作られたもの)がある。幹のまわりが18メートルにもなる「空中庭園の木」(The Hanging Garden Tree)は、樹齢2000年を超えていると考えられている。

バンクーバー島パシフィック・リムでハイキング-イメージ6

翌日、私はジェイミーのホエールウォッチング場(Jamie’s Whaling Station)を訪ねた。ジェイミーはこの地域で最も古いホエールウォッチング運営者のひとりで、マクイナ州立マリンパーク(Maquinna Provincial Marine Park)のホットスプリングコーブ(Hot Springs Cove)までの90分のクルーズを運航している。森林に覆われた島を出て、野生動物の姿を捉えようと目を凝らす。この日、クジラは姿を見せなかったが、数頭のアザラシや活発に動き回るカワウソ、円を描いて旋回するたくさんのワシを見ることができた。マリンパークに戻った後は、森の中を30分ほど歩いて、トフィーノに来たら絶対に見逃せない名所のひとつ、ホットスプリングコーブへ向かった。ここでは天然の温泉が滝となって流れ落ち、海辺にたくさんのプールを作り出している。

バンクーバー島パシフィック・リムでハイキング-イメージ7

トフィーノを後にして、私はユキュレット(Ucluelet)という素朴な漁業の町に向かった。といっても、素朴なのは町の一部だけだ。ブラックロックオーシャンフロントリゾートにある私の宿は素朴とは程遠い。スパを備え、超モダンな内装が施され、オーシャンビューのレストランまであるのだ。数日間のハイキングにはスパトリートメントが付いてきて、シーサイドの温水プールでしばしの休息。波が沖合の小島に当たって砕ける様子を、私はプールの中からうっとりとした気分で眺めていた。
ここへ来た目的が何かって? ワイルドパシフィックトレイルだ。村周辺の3つのセクションにまたがる海岸線のコースは、バークレー湾と広大な海の圧倒的な景色を目前に拝みながら沿岸の崖の上を走り、コケで覆われた森を通り抜け、岩だらけの岬を横切る。

ドラマチックな景色に比べてコースは驚くほど穏やかで、あちこちに展望台やベンチが用意されている。入り口はいくつかあり、私たちはそのうちのひとつ、ブラックロックリゾート(Black Rock Resort)でたき火をしながら、トレッキング後のカクテルを楽しんだ。

バンクーバー島パシフィック・リムでハイキング-イメージ10

ワイルドパシフィックトレイルはバンクーバー島の沿岸部の景色を楽しませてくれる。一方、多くのハイカーが死ぬまでに挑戦したいリストに入れている究極のトレッキングが、バークレー湾の南東に向かう伝説のウエストコーストトレイルだ。
熱帯雨林を横切り、岩だらけの海岸線を通り抜け、1週間かけて行われるこの全長75キロのトレイルは、世界有数の原野トレッキングのひとつと見なされている。予約が必要なのは言わずもがな、かなりの経験と準備の上で挑戦するのが望ましい。
その魅力に惹かれつつ、このウエストコーストトレイルは私のやりたいことリストに残しておくことにした。代わりに、有名さでは劣る4日間のファンデフカトレイル(Juan de Fuca Trail)に挑戦した。ビクトリア州の西を通るこのコースは、バンクーバー島の南西の海岸に沿って進み、絶景の海が見えるスポットや、長い砂浜、岩だらけの海岸線、深い熱帯雨林を通る。海霧や波の合間を通ったり、クジラが通り過ぎるのを目にしたりすることもある。いくつかの入り口があり、長距離でも短距離でも希望に合わせてチョイスすることができる。

こんな風にハイキングを楽しむことができるのがここの魅力だ。壮大な旅がしたい人も、午後のちょっとした散歩を楽しみたい人も、バンクーバー島のパシフィック・リムで生涯忘れられない大自然の中のアドベンチャーをたっぷり味わうことができるだろう。

<リンク>
パシフィック・リム国立公園
ウィカニニッシュ・イン
トフィーノ観光局
ブラックロックリゾート
ワイルドパシフィックトレイル

コメントを残す