もっと知りたい チャーチル

もっと知りたい チャーチル

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ハドソン湾の北西部にあるチャーチル。人口は813人(2011年現在)。毎年10月下旬から11月にかけて、周辺には約900頭のホッキョクグマ(シロクマ)が集まる。人よりクマの方が多くなりそうだが、実際にはそうはならない。同じ時期、クマを見に来る観光客が大勢やってきて、人間の数が倍増するからだ。周辺に900頭ものクマが集まるとなると、中には、町の近くに出没するものも現れる。観光客がひとりで町を散歩していて、クマにばったり、なんてことも起こりかねない。

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集落をうろつくホッキョクグマ母子

集落をうろつくホッキョクグマ母子

心優しい地元の人たち。そんな場合に、クマに出会った人がすぐ手近な車に逃げ込めるよう、駐車の際には車にカギをかけないでおく人も多いという。エンジンキーは抜いておくから、車を盗まれることはない。もっとも、そもそもチャーチルで車を盗もうなんて人はいない。盗んでも、遠くには逃げられないからだ。チャーチルから外の世界に通じる車道が存在しないのである。だから、チャーチルに行くには、州都ウィニペグから飛行機を使うか、列車に乗るか。その他、歩いていくとか、カヌーで川を下るとか、冬、犬ぞりを使うという手も、あるにはあるが・・・。

VIA鉄道チャーチル駅

VIA鉄道チャーチル駅

チャーチル空港の旅客機

チャーチル空港の旅客機

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ホッキョクグマ観光に活躍するのが、大きく太い車輪の、ツンドラ・バギー(tundra buggy)と呼ばれる車両だ(なお、日本語では「ツンドラ-」だが、英語の発音は「タンドラ-」に近い)。車輪は直径が1.7mもあり、窓の位置も高いので、クマが背伸びしても窓に届かない。ツンドラ・バギーは、1979年に、チャーチル周辺でホッキョクグマを観察したり、研究したり、撮影したりするために開発された。「ツンドラ・バギー」は、「ジープ」や「ランドクルーザー」と同じような登録商標で、チャーチルで観光業を営なむ「フロンティアーズ ノース アドベンチャーズ」社だけのものだ。同業他社の「レイジー ベア ロッジ」で使っている類似の車両は「アークティック クローラー」と呼ばれている。

チャーチルは、元々は毛皮交易の拠点だった。1929年、ウィニペグからの鉄路が引かれると、内陸の穀物を輸出する港として利用できるようになった。1942年には町の近くに米軍の基地がおかれ、戦後は1960年代半ばまで米加両軍合同の訓練施設として使われた。1984年まで、気象観測ロケットの打ち上げ基地もあった。…といった歴史を経て、現在は、ホッキョクグマ、ベルーガ、バードウォッチング、オーロラなどの観光がチャーチルの最大の産業である。

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