2015 FIFA女子ワールドカップ開催都市を巡る(前編)

2015 FIFA女子ワールドカップ開催都市を巡る(前編)

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2011年7月17日、ドイツ・フランクフルトのヴァルトシュタディオンスタジアムで行われたFIFA女子ワールドカップ決勝戦。”なでしこジャパン”こと、女子日本代表の熊谷紗希選手のシュートがゴールに突き刺さり、PK戦を制したサッカー女子日本代表はワールドカップ初優勝を遂げた。この快挙を「奇跡」として世界中のメディアが絶賛。それまで知名度が低かった女子サッカーの人気や知名度は日本国内でも急速に上昇した。

あれから4年。2015 FIFA女子ワールドカップ(2015 FIFA Women’s World Cup)が、カナダで開催される。2015年6月6日の開幕戦(エドモントン)で幕を開け、7月5日の決勝戦(バンクーバー)まで約30日間にわたって、ウィニペグ、オタワ、モントリオール、モンクトンを含めた6都市で、52試合が開催される。

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カナダで人気のスポーツは何か?その質問に対して「アイスホッケー」「カーリング」「スキー」などと答える人が多いはずだ。もちろん間違いではない。しかし、実は女子サッカーも、カナダでは人気のスポーツなのだ。だからこそカナダ国内では、この世界的なスポーツの祭典がはじまることを心待ちにしているのだ。

そんなカナダで女子ワールドカップを生で観るために、観戦ツアーに参加したいと思うのは、不思議なことではない。きっとワールドカップ開催期間中のカナダは季節的にも心地良いだろう。それなら、なでしこジャパンや好きな国を応援するだけでなく、その開催都市で街歩きを楽しむことができれば、もっと素晴らしい時間を過ごせるのではないだろうか。都会でも治安が良くて、人が温かくて、それぞれの街に宝物がいっぱいあるカナダは、サッカー観戦という目的を忘れるくらい魅力的だ。それでは開催都市を歩いてみよう。

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バンクーバー(ブリティッシュ・コロンビア州)

カナダ西海岸の都市バンクーバー。今回のワールドカップでは決勝戦のほか、グループステージの日本対スイス戦(6/8)や日本対カメルーン戦(6/12)が行われる。会場は54,500人を収容するBCプレイス。2010年バンクーバー冬季五輪の開会式が行われた場所だ。地元のファンのみならず多くの日本人が訪れることが予想される。

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海と森に囲まれ、気候にも恵まれたバンクーバーは、「世界で一番住みやすい街」ランキングで常に上位に入っている。この街を歩いていると気になることがある。それはフードトラック(屋台)がたくさんあること。多くの民族が集まるカナダを象徴するように、街中で個性的なフードトラックを数多く目にする。その中のひとつ、今では日本でも有名な「ジャパドッグ」は、その名の通りホットドッグを日本風の味わいでアレンジしたもの。TERIMAYO、OKONOMI、OROSHIなど、ユニークなメニューが揃うが、その味も絶品だ。その他にも飲茶やケバブ、シーフードなど、バンクーバーでは屋台を食べ歩きするだけでも満喫できる。何とそんな食べ歩きをサポートしてくれるフードトラックツアーもあるというから、これは単なる食べ歩きではなく、もはや立派なアクティビティだ。もし試合観戦をするなら、フードトラックで色々な料理を買っていくのも悪くないだろう。スタジアム内で他の観客と会話も弾むかも。

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数えきれないほどの魅力があるバンクーバーだが、「世界で一番住みやすい街」の理由のひとつである、身近な自然に触れないわけにはいかないだろう。ダウンタウンからわずか数十分でキャピラノ吊り橋公園に行くことができる。あの有名な吊り橋だ。大きな森の中にある吊り橋を写真で見たことがあるかもしれないが、街の中心部からこんなに近くにあるとは想像もつかない人が多いはず。日本では考えられないこと。だからタイトなスケジュールで試合観戦をする人も、日本に帰ってから思いっきり自慢できるような本格的なアトラクションを体験してみよう。

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エドモントン(アルバータ州)

アルバータ州の州都エドモントンは、世界遺産カナディアン・ロッキーの北のゲートシティとして知られている。今大会はカナダ対中国の開幕戦(6/6)、カナダ対ニュージーランド(6/11)、準決勝や3位決定戦など注目の試合が開催される。会場は収容人数6万人を超すコモンウェルス・スタジアムだ。ダウンタウンからはエドモントン・トランジット・システム(ETS)の鉄道に乗って簡単にアクセスができる。

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この街は一年を通じて30以上のイベントが開催されることから「フェスティバル・シティ」と呼ばれている。特に夏になると「エドモントン K-DAYS」「エドモントン・フォーク・ミュージック・フェスティバル」「エドモントン・フリンジ・シアター・フェスティバ」など、爽やかな屋外スペースで音楽やグルメを楽しむイベントが数多く開催される。この街に住む人々はみんなイベントが大好きだ。彼らが作り出す雰囲気が、訪れる人を開放的な気持ちにさせてくれる。そんなフェスティバル・シティに世界で最も人気があるスポーツの祭典がやってくるのだから想像するだけでもワクワクする。対戦カードやスタジアム設備も重要だけど、ここでは地元ファンとの触れ合いこそが最大の魅力だ。

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ダウンタウンを歩くとユニークな建物と出会える。オーロラとノース・サスカチュワン川をイメージした外観が特徴のアルバータ美術館は旅行者の人気スポットのひとつ。多くの現代美術作品が展示されているほか、レストランやカフェも併設されており、ESTの地下鉄駅も近いので、試合観戦前に立ち寄るには最適だ。

ちょっとユニークな体験をしたいなら、2輪車の上に立ったまま乗って、体の重心の移動で走行させる「セグウェイ」と呼ばれる乗り物もおすすめ。最初にインストラクターからコツを学べば、初心者でもあっという間に乗りこなすことができるのだ。

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最後にアルバータ州の名産といえば、もちろんアルバータ牛。試合を観戦した後は、ビールで乾杯しながら思いっきりアルバータ牛を食べつくそう。赤身なのに柔らかくてヘルシーなお肉は、アスリート志向の方にもおすすめ。もしかしたらあの選手も食べているかも。

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ウィニペグ(マニトバ州)

カナダの中央部に位置するマニトバ州の州都ウィニペグ。アシニボイン川とレッド川の合流地点に位置する。今大会は、米国対オーストラリア(6/8)、米国対スウェーデン(6/12)、そして日本対エクアドル(6/16)をはじめとした試合が行われる。会場は新しく建設されたウィニペグ・スタジアムだ。

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この街は、かつて東部カナダと西部カナダの交易の場として栄えた。今でもその面影を残すフォークス歴史地区を散策しながら、先住民たちがカヌーで川を下り、毛皮取引に訪れていた時代に思いをはせてみよう。今大会、この街に世界各国の選手や観客が集まるのは、何かの運命かもしれない。そんなフォークスに2014年にオープンしたのがカナダ人権博物館。その名の通り、さまざまな人権問題をテーマにした博物館として注目を集めている。お互いの国をリスペクトするワールドカップのように、ここで色々な国の人権について学んでみるのも悪くないだろう。

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スポーツに勝敗はつきものだ。勝った時は嬉しいが、負けた時は悔しくてたまらない時もある。でも大丈夫。ウィニペグには、そんな時でも心を癒せる場所がある。それは市内にあるアシニボイン公園だ。自然に囲まれた広大な公園には、動物園があり、そこで出会う動物たちを見ていると思わず微笑んでしまう。のんびり水遊びをするシロクマは、勝敗に関係なくシンプルに楽しむことを教えてくれているようだ。ちなみにこの公園には「くまのプーさん」のモデルになったクマの銅像もある。公園を散歩しながら探してみよう。